〈2014 12.08 メキシコ・メリダ〉
貧乏バックパッカーに不相応な素敵なお部屋に滞在中。
ダブルベッドにエアコン、清潔な水回り。お手伝いさんまで付いている。
時間を遡ること約15時間。
パレンケ発メリダ行きの高級夜行バス(メキシコのバスは基本的に高い)に乗ってスヤスヤ眠っていたとき。
とある町で途中乗車してきたおじさん。指定席の彼の席は私の隣でした。
「やぁ、失礼するよ。」
「やぁ・・・(おやすみ)」
「君はどこから乗ったんだい?どこに行くんだい?出身はどこの国だい?メキシコに何をしに来たんだい?メキシコは好きかい?」
夢うつつで怒濤の質問攻めに遭ったものの、責任感の強い私は一つ一つきちんと答えました。
「素晴らしい、素晴らしい!君はスペイン語が話せるんだな?!じゃぁワシは寝るぞ!」
散々眠りを乱しておいて、自分はあっけなく寝てしまうおっちゃん。
よし、これでゆっくり眠れそうだ。
「ハッ!!そうだ!君はメリダに何をしに行くんだい?」
「セノーテに行こうかと。」
「そうか・・・むにゃむにゃ・・・」
・・・
・・・
「ハッ!!セノーテならワシの息子がよく知っているぞ!」
「そうなんだね。いいね。」
「息子を紹介しよう!・・・むにゃむにゃ・・・」
・・・
・・・
「ハッ!!」
というおっちゃんペースの不意打ち質問責めに遭い続けた。
すっかり仲良くなり、息子を紹介するだの、セノーテに連れて行ってあげるだの言ってくれてました。
マイペースだけど、話した感じは品のある優しいおっちゃんでした。
早朝、無事にメリダに到着。周囲はまだ暗いのでターミナルで時間潰して宿探しをするつもりだった。
「さぁ、行こう!」
「・・・どこに?」
「まずはワシの車を取りに行く。近くの実家に置いてあるんだ。そこまではタクシーだな。ワシの車で宿探しをすればいい。」
おっちゃんの人柄を信じる?信じない?
ここは犯罪大国メキシコだ。容易に付いて行ってはいけない!
「どうする?そうだ、メリダで一番おいしいタコスを食べに行こう。」
私は迷わずバックパックを背負い上げた。
「・・・はーい!行きまーす!」
タクシーに乗り、到着したのは立派なお家。
おぉぉおっちゃん、アンタもしや?
中から出て来たおっちゃんママとご挨拶し、引き取った車に乗って再出発。
「先にお手伝いさんを迎えに行っていいかい?」
おぉぉおっちゃん、お手伝いさんってアンタもしや?
お手伝いさんが合流し、なぜか3人で宿探し。
しかし、宿は思うような値段で見つけられない・・・
「とりあえずタコスを食べよう!」
タコスを食べながらおっちゃんは言った。
「うちに来るかい?部屋余ってるし。見るだけ見においで。」
そうだね、じゃぁ見るだけお邪魔しようかな!
4階建ての大豪邸。高級車3台、プール付き。
おぉぉおっちゃん、アンタやっぱり?!
安宿探す気には全くならなくなった。
「お世話になりまーす!」
家庭事情はちょいと複雑みたいで、息子2人と3人暮らし。
薄々感づいてはいたけど、社長さんでした。
納得。
メリダはセノーテに行くことしか考えてなかったから「何したい?」と聞かれても困る。
息子2に送らせるから、マヤ文明の博物館に行っておいでと言われた。
息子2登場。
おぉ?イ、イケメンじゃないか。
おっちゃんみたいなコロコロ可愛いメキシコ男子を想像してたから驚いた。
20歳大学生・弁護士の卵。
はい、将来有望株きましたー!
息子2の車に乗せられGran Museo del Mundo Mayaに到着。
出来たばかりの最新近代仕様。
入場料は泣くほど高い外国人料金150ペソ(1275円)
マヤに関わる展示品や資料があって、ところどころ最先端技術とか取り入れちゃったりしてるんだけど・・・
数が多い!とも言えないし、素晴らしい!と感嘆する展示もないし、マヤの歴史の具体的なところが見えてこない。
評価はイマイチ!
150ペソもしたのに。息子2にお手数かけたのに。
バスの乗り方よく分かんなくて帰りは歩き。
良い子はマネしちゃいけません。
家に戻るとおっちゃんの部屋に誘導され、なぜかおっちゃんが仕事してる横でハンモックに揺られ映画を見ている私。
誘導されたとはいえ、厚かましすぎるぞ自分。
ついでに言うと当然のようにお食事もご馳走になっています。
まさに姫気分。
完全リラックスモードでベッドでゴロゴロしていると、おっちゃん登場。
あら、ヤダ。すっぴんなのに。
その後ろには息子1。
うぉぉぉ!!
ほ、本当に君はメ、メキシコ人なのか?!
イケメン!!超イケメン!!
21歳大学生・医者の卵。
はい、またきた、将来有望株。
セノーテ大好きな息子1におっちゃんは話をしてくれていたようで、
「セノーテ一緒に行こうね!(ウインク)」
うぉぉ!!
イケメンのウインク!射貫かれる!
「これからパーティに行くけど来る?」
いいえ、私は有望株より確実に癒してくれるラグジュアリーベッドを選びます。
チャラいぞ、息子1よ。
だけど、すっぴんを後悔してるぞ、私。
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