少数民族の村にお泊りしてみよう。

29.ナミビア

〈2015.03.17 ナミビア・オプウォ〉

エトーシャをお昼に出て北へ車を走らせること約5時間。
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オプウォという小さな町に到着。
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この町に入った瞬間のワクワク感がハンパなかった!

町には個性的な民族が闊歩し、独特な雰囲気をこれでもかというほど漂わしていた。
これぞアフリカ!

小さな町なので泊まれるところは限られている。90NAD(891円)でキャンプサイトを確保。

こんな小さな町に来た理由。
世界一美しい少数民族『ヒンバ族』に会うため。

しかし、旅行者がヒンバ族の村に行くにはガイドを雇わねばなりません。
宿のおばちゃんに相談したらヒンバ出身のお兄さんが泊まっているとのこと。

その方を呼んでもらって、直談判。
彼はお忙しいので、別の場所にいる知り合いガイドを紹介してくれることになった。

定時価格:ガイド料350$+お土産代。
(※村に行くには米や砂糖などの食糧をお土産として持参する必要がある)

相場か?
いや、もっと安くなるだろう・・・
翌日8:00に来てもらうように依頼。値段交渉はその時に。

お土産探しに町のスーパーへお買い物。

テレビでしか見たことないディープなアフリカの世界が目の前に広がっている。
すごく面白い。時間があったら数泊したいくらい。

町を歩くと「ヒンバ村のガイドはどうだ?」と頻繁に声をかけられる。
宿に懇願しなくても、ガイドは案外簡単に見つかっちゃうみたいね。

「もう決めてるからいいよ。」と伝えるものの、しつこいので値段を聞いてみた。

ガイド料50NAD/人+お土産代25NAD/人×4人=合計300NADです。

コミコミ料金で、さっきより圧倒的に安い!
しかも・・・「今すぐ向かって、夜は現地に泊まっちゃえよ!」って。

(´゚д゚`)!!

なにそれ?オモロすぎるやん!!

このおっちゃんガイドに乗り換えたい。でも、先約がある・・・

「先約と交渉して、彼が値引きに応じなかったらおっちゃんに決めるね!」
おっちゃんは「もちろんそれでいい!俺が話つけてやる!」とやる気満々。

宿に戻る道中で交渉内容の打ち合わせ。

まずは宿のおばちゃんに「今夜はヒンバ村に行くね。」と伝える。
その瞬間、「話は聞いたぞ!」と兄ちゃん登場。

えぇぇ?!

道中のおっちゃんとの会話聞かれてた!地獄耳すぎる!

兄ちゃんはすぐさま同条件を出して来た。

ってか必死過ぎるよ、兄ちゃん。
そして、おっちゃん何も言わないし。

同条件なら先約にするしかない。
おっちゃん、ごめんなさい!

同条件なので今夜はヒンバ村にお泊りが決まった。
兄ちゃんはすぐさまガイドに連絡。うちらも荷物をまとめる。

しばらくするとガイドのマリアさん登場。
兄ちゃんと決着付けたコミコミ料金300NADを念押しし、契約完了。

この時、既に19:00を回っていた。
スーパーは閉まっちゃたので小さな商店でお土産の米20kg・とうもろこし粉20kg・砂糖5kgを購入。

町を抜けると砂利道に変わった。暗闇の中の悪路を進む。

そんなに遠くないと言っていたがなかなか着かない・・・

結局1時間ほどかかった。マリア的な距離感覚では近い部類なのか。

・・・

目の前に現れたのは・・・焚火の明かりに浮かび上がるヒンバ族。

うわぁ・・・あまりにも非現実的すぎて言葉を失った。
怖いとかじゃない。説明できない不思議な感覚。

スタートが肝心だ!

車の中で覚えたヒンバ語「フレンダ!」で挨拶しまくると、みんな笑顔で迎えてくれた。

よし、心は掴んだ!
みんなにひと通り挨拶したところで、マリアがお土産の話したようだ。

はい、問題発生!

「お土産が少ないぞ!100NAD(990円)追加でよこせ!」

・・・ジャイアンか!

日本人「おいおい、約束と違うじゃねぇか?」
マリア「急だったし、連絡手段がないから彼らに事前相談出来なかった。コミコミガイド料は私たちの約束でしかなく、彼らの許可を得た訳じゃない。」

空気が固まった。

しかし、このままじゃいけないので代替案を提示。
私たちの持ってる米2袋(約50NAD)の現物支給にしようじゃないか。

この俗離れした地において金銭による合理的解決策は違和感だったから。

米2袋の追加で村長はゴキゲン。

単純で良かった。(失礼)

マリアとも和解。お宅訪問に連れて行ってもらった。
敷地内には数件のお家が建てられている。

1件目。
みんな家から出てきて笑顔で挨拶してくれた!
29歳男性のお宅。奥さん一人と子供2人の4人家族。

おや?
ヒンバ族は一夫多妻制と伺いましたが、アナタは違うのね!

「一途だね!嫁さん愛されてるねー!」
「君となら結婚してもいいよ…」

お、おぉ・・・ヒンバ村に嫁入りか・・・
ちょっと考えさせて・・・本当に困ったら相談するかも。

2件目。
子供がたくさんいるお宅。一人、二人、三人・・・ドンドン出てくる子供たち。
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いつの間にか子どもたちに取り囲まれていました。
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元気いっぱい!かわいい!
うちらが持っていた懐中電灯が気になるらしく、点けたり消したりして遊び、最終的には踊りだす。
テンション上がりすぎてカオス状態になった。

笑いまくって腹イタイ・・・

焚火の周りに戻ると、食事を勧められた。ご当地ヒンバ飯。
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とうもろこし粉を山羊乳で練ったもの。ヨーグルトっぽい酸味を感じる。

「美味しいか?」と聞かれ「美味しい!」と反射的に答えるのは、本音と建前を重んじる大和スピリット。

「全部食べろっ!」
「いや、みんなの食事なのに全部だなんて申し訳ないわ!」

マズいわけじゃない。うまくはないんだ。

みんなで謎の食事をシェアして仲良くなったところで、中心にいた兄ちゃんが立ち上がる。

「別の村に行くか?!可愛いヒンバ女子探しに行こうぜ!」

・・・なるほど、若いヒンバ男子の夜遊びはそういう感じか。
非常に興味深いので是非同行したいが、なんとも残念なことに私は女子だった。

日本男子陣に「行って来なよ!(面白いネタ収穫して来いよ!)」と促すもうまくいかず。

つまんないの。
せっかくヒンバ彼女ゲットのチャンスなのに。
私が男子なら喜んで行くのに。

空振りしちゃった兄ちゃんが「お前らの名前は覚えにくい!俺が名前付けてやる!」と宣言。

それぞれに命名を下され、ついに私の番♪

「お前は・・・オコマンボ・ヘルンガだな!」

・・・なんだろう。
すごくギャグ路線に寄ってる気がしなくもない。

いや、せっかく兄ちゃんが付けてくれたヒンバネームだ。大切にしよう!

「明日何時に帰る?」
「うーん、10:00頃かな。」
「次はいつ来る?いつでも戻って来いよ!」

分からない。次が来るかなんて分からないけど、この言葉が嬉しかった。

「次に来るときのお土産は携帯電話な!」

・・・どアホっ!!

「それは約束できないけど、可愛い女子連れてくるようにするわ!」
「おー!それはいいな!」

ふっ。男なんて単純だ。チョロイぜ。

「でも、次まで待てないから…お前が俺と結婚してココに残れ!」

そう来たか!

本日二度目のプロポーズです。ヒンバ受けもいいみたいです。グローバルワイドです。

丁重にお断りをし、寝ようとテントに戻ったときに子ども達の歌声が聞こえてきた。
その様子を伺っていたら「あそぼー!!」って突進してきた!
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こっからは完全に子ども達のペース。

写真撮れだの、抱っこしろだの・・・揉みくちゃ。
こんなエネルギーいっぱいの子ども見たことないわ。
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さすがに遊び疲れて「寝るわ!」って言った結果・・・
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ウソ泣き。

テントに逃げ込んでもしばらく止まない「オコマンボォ~」の連呼。

夢にまで出てきそう・・・

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