チャイの事後処理と1時間の苦痛

〈2014.08.30 インド・ウダイプル→ジョードプル〉

色んなことがあったウダイプル。この街にお別れして向かうはジョードプル。13:00発のバスチケットを街の旅行社で購入。

出発前に昨日会った男子たちに一声かけておこう。無言で消えて日本人のイメージ悪くしたくないもの。

ミッション1。まずは画家のもとへ。

「昨夜はどうして来なかったんだよー。」と全力でハグされる。めんどくさかったとはさすがに言わない。
「昼に出発するわ。」
「さみしいね、せっかく仲良くなれたのに。」

ここまでは良かった。人当たりの良い兄ちゃんだと思ってた。しかし彼もインド人だった。唐突に口に出した。

「カーマスートラについてどう思う?」
「・・・はい?」
カーマスートラとは古代インドにおける性典、つまり・・・詳細はWikipeediaで!

まぁ、下ネタに話を持っていこうとしている訳です。今必要なことなのか?時間がない相手に対して話を急展開させてまで聞きたい内容なのか?とりあえず知らないふりをしてみよう。
「なにそれ。しーらない。」

画家は説明を始めた。「カーマスートラとは~~~で、とても神聖で~~~、それは愛の証で~~~~、決して汚らわしいものじゃない、人間において必要な快楽なんだ!だから僕は~~~思うんだけど、うんちゃらかんちゃら、君はどう思うんだい?」

アツいな。熱弁している。んー。だがしかし、反応にすら困る。どう返答してほしいんだい?んーんー。
「インドには深い文化があるね!勉強になったよ!じゃ!」

爽やかにお別れができました。

ミッション2。次は服屋のオーナーのところへ。

店にはいないようだ。困ったなー。ちょっとこの場で待ってみるか。というわけで、近くの階段に腰かけてみた。・・・そうだよね、この光景は異様だよね。すぐに通りかかりのインド人が声掛けてくれる。

「どうしたの?誰を待ってるの?」
「そこの服屋のオーナー。電話番号はあるけど電話がない。」
「あぁ、彼か。俺の電話を貸してあげよう。」

まさかのオーナーの友達だった。優しさに甘えて携帯電話を借りる。

「会いに来たけどいないから帰るねー。ジョードプル行くわー。」
「起きたばかりだから用意して今から向かう。20分待って。」

会わなくて済むなら都合がいい。もうバスに乗らなきゃだから無理。本当はすごーく会いたかったけど残念だね。また会えたらいいねー。という流れで乗り切った。我ながら性格悪すぎる。

さて、最後のミッション3。

一番やっかいなデキ男です。昨日は恋愛事情にチャチャ入れて、さらに説教までしてきたからね。今日はどんな攻撃が来るのか。昨日の段階でジョードプルに行くことは伝えてある、それに対して「俺も行く!」とか意味不明なこと言ってきたからね。うまく攻撃を回避できるのか・・・

もちろん店に行かなかったら何事も起こらず終了する。だけど、その選択肢はなかった。自分で課したミッションなんだけど、何とも言えない義務感みたいな責任感みたいなものがあった。

恐る恐る店に入る。スタッフが招き入れてくれた。ヤツはいなかった。私に気遣ってスタッフがヤツに電話を入れてくれた。出なくていいよ。出ないでくれ。

「今の電話で起きたみたい。彼の家からここまでは時間がかかるから、1時間後に来てくれない?」

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

「いや、もうバスの出発が近いから(本当)、それはムリ。伝言をお願いしてくれる?約束通り来たことと、昨日はありがとうって。」

スタッフも理解してくれた。約束通り私は店に来た。紛れもない事実だ。時間が合わなかったのはしょうがない。
ミッションクリア!後ろめたさも何もなくウダイプルを出れる。まぁ、事の発端は私がチャイに釣られたせいなんだけど。

ゴキゲンで宿に戻り、パッキングして、出発!リキシャを40R(68円)まで値切り、あっという間に新市街のバス会社のオフィスに到着。出発は13:00。現在12:20。早く着きすぎた。でも10分前にはバスが来るでしょ。30分くらい余裕!

・・・

・・・

お。13:00。

・・・

・・・

「あのー。このバス・・・」
「あぁ、それはまだだよ!」

・・・

あ。雨降ってきた。外のベンチに座ってたので濡れちゃう。室内のソファーに移動。

「そこ邪魔だよ!」

えぇ?他に客いないじゃん!ココ座んなかったら外しかないじゃん!しかたないので立って隅による。

すると、その兄ちゃん、ソファーに上って、神棚みたいに飾られてるガネーシャ人形の掃除始めた。

いま必要?そんな急用業務?客を立たせてまでやらなきゃいけない?まず、バス遅れてるからね?バスに確認連絡とかしないの?
疑問は噴水のように溢れてくる。でも口にしない。だって、だってココはインドだから!

雨が弱まったので外のベンチに戻る。あのー、13:30ですよ?マジで問題じゃない?ただ、ただ待つのみ。

すると、物乞いの子供たちが寄ってくる。「マネ~マネ~・・・」かわいそうだけど聞き流そう。しかし、しぶとかった。近寄るだけじゃなくて触ってくるタイプだった。これはキツイ。色んな意味で。耐えられなくて室内に入る。

「バスはまだだよ!ちょっと用事してるから外にいてって!」

テッメェェェーーーー!バスが遅れてる上、変なタイミングで掃除なんてするから、こんなツライ目に遭ってんだぞ!ゴルゥア!!

そして耐えること13:50。私を呼びに来る人が登場。バスが来たらしい。

遅れてんじゃねーぞ!と急いで乗り込む。そこで気づいた。

空席がたくさんある。同じタイミングで別の場所からたくさん乗ってくる。その彼らの手にあるチケットには14:00・・・

うぉぉぉーーーー!!バスが遅れてたわけじゃなかったーーー!!何なら出発時間に間に合うようにちゃんと早めに着いとるーー!!

13:00から待っていたのは私だけだったのね。旅行社に騙された。このツライ1時間を返しておくれ。

インド人もびっくりなことにキッチリ14:00に出発。さらにインド人もびっくりなことに席は広めで快適。ま、びっくりしてるインド人一人もいないけどね。

ギューギューになることもなく、バスは走り続け、インドあるあるの謎の場所で謎の停車時間があって、そこに物売りのインド人たちが群がってくるという特に面白くもない普通のバス旅でした。

しかし、出発誤差の1時間は大きかった。ジョードプルに着いたのは既に21:00過ぎ。降ろされた場所から宿までは遠い。リキシャを使う以外に方法はない。しかし、働き者のインド人、降りた箇所にバッチリ待機して誘導してくれます。しかし、乗るまでにまた時間が必要なわけです。

「300R(510円)だ!」
「アホ!」
「250R(425円)でどうだ!」
「ざけんな!」

こんなじゃれ合いの時間を提供してくれます。どこでもいつでも。インド人って無邪気ね。

100R(170円)まで下がったけど納得できない。「じゃぁいいわ、バイバイ」作戦です。

正直、少し賭けだった。もし「あっそ。」って諦められたら、宿に行く手段が全く無くなるわけだから。その場合、「あっそ。」といった相手に対して「ウソ、ごめん。お願い、乗せて!」って情けなく懇願しなければいけない上にボラれる可能性大だから。言ってしまった後、少し後悔した。頭下げて懇願なんてしたくない!

「・・・じゃぁ、70R(119円)!」

インド人、かわいいいいぃぃぃぃーーーーー( *´艸`)

70R?もちろん払う、払う!ゴキゲンでリキシャに乗り、夜のジョードプルの街を眺める。新市街はお店も多くて賑やかそうだ。そして、旧市街の中心である時計塔に到着。ここで降ろされそうになったけど、新市街とは違って誰もいなくて暗くて怖い。

行きたい宿の名前を伝えると、リキシャのお兄ちゃんは入口まで連れて行ってくれた。しかも、閉まってる風だったから階段上って確認までしてくれた。めっちゃ優しい人だった。笑顔でバイバイ。

宿の人にごはん食べるかと聞かれたが、そんな気になれず、すぐに横になった。寝てるはずなのに、窓の外から聞こえる野犬の唸り声がすごく頭に響いてた。

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