〈2014.10.26 ポーランド・オシフィエンチム〉
吐く息が白い。朝靄が街を包む早朝。
バスに乗って向かったのは・・・
説明不要なほど有名な場所。
ヒトラーが行ったホロコーストの象徴と言える場所。
この地で数え切れないほどの未来と希望が失われていった。
霊感とかは全くないけど、やはり不穏な雰囲気ってのは感じる。
それぞれの棟が展示室になっている。
ガイドさん熱心に説明中。
大量のメガネ。
大量のカバン。
大量の靴。
義足・・・
それぞれに持ち主がいた。
命があった。
労働力の確保?
ふざけんな。
使い捨てのモノのように扱ったくせに。多くの命をガス室で一瞬にして消したくせに。
ガス室。
処刑台。
そこまでする必要があるの?
ドイツ軍の一人一人はきっと命の尊さを知っている人間だっただろう。
なのに、こんな残虐なことができるようになるなんて・・・
戦争って何なんだろう。
命に上位下位があるのだろうか。
この地に足を踏み入れた「今」を生きている世界中の人々は何を感じたのかな。
次に向かうは近くにある第二収容所ビルケナウ。
荷物のように、いや、それ以下の扱いで多くのユダヤ人が運ばれた。主に女性だったという。
各国から収容され死んでいったユダヤ人を悼んで、各国が慰霊碑と花を捧げている。
日本語の慰霊碑はない。
日本人の誰もが知っているアウシュビッツの悲劇。だけど、この負の歴史は日本にとっては教科書に載っているだけの遠い歴史でしかないようだ。
隙間だらけの粗末な建物。
吹き込んでくる‐20℃の隙間風、寝返りが打てないスペース、わずかな食糧、過酷な労働。
とても悲しいのに涙が出ないのは、彼らが味わった苦しみが到底想像もつかないからかな。
だけど、ほんのわずかでも過去の事実を知ることが出来て良かった。
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